<大食漢のビジネス回遊録:2016年8月11日>

日本では有名でも海外では全く知名度のない会社の現地法人の立ち上げやビジネス開発を担当するケースがある。有名な会社であれば、予算の上限はあっても、リクルートして現地の良質な人材に出会うことは、さほど難しいことではない。無名でかつ人材に投下できる予算が限られている場合、現地市場で即戦力で活躍する人材に出会うのは本当に時間がかかるし、予想以上に難しい。日本で小資本で事業を一から立ち上げるのと一緒で、”人集め”と”人材育成”には本当に苦労する。まずは「ヒトとして個人として信用してもらい」「当該事業が成功する”船”であることに説得力を持たせ」「この人についていったら自分は伸びるかも」あるいは「この人と仕事すると将来の自分のキャリアに役に立つ」と思わせないと、良質な人材に出会っても、一緒に仕事する『環境』に入ってきてくれない。”言葉”以上に”人間力”や”対人力”が求められる。これまでの実績や経験した事業や在籍していた会社の知名度をフル活用して、心の扉を開いてもらう。徐々に警戒が解け、ようやく信頼に変わっていく。
幾つもの事業を海外で立ち上げていると、現地で『人材を見る目』も自ずと鍛錬される。 最初から波長の合う人とは意外とうまく行かなかったりする。「変なヤツだなぁ」「腹立つこと言うなぁ~コイツ」というぐらいの方が、一緒に仕事をして、お互いを分かり合ううちに波長があってきたりする。逆に、「おっしゃる通りにします」「私も同じ意見です」と同調的で、第一印象がいい人ほど警戒するようになる。
一方、会社を運営する立場からすれば、駐在員の選定でも想定外のことが起きたるする。高学歴だったり~日本での成果が際立っていたり~する社員でも、海外の現地法人や海外市場そのものに馴染めず、赴任期間中に帰国の途につくケースも多い。こういったケースが海外で初めて現地法人を設立する場合に起きることも多い。学歴や日本での成果だけでなく、普段のちょっとした受け答えや、酒を飲んだときの会話の内容から本人の素養や資質を見抜けることもあるし、独特の嗅覚が長年の経験から積み重なるような気がする。
よほどの大規模企業でないと、ほとんどのケースで、採用する人材の良し悪しや現地パートナーの質、駐在員の能力や努力で、事業成果が左右され、本社側の手間や労力、必要となる資本も変化する。「カネ<ヒト」の構図がある。同じ資本金を積んでも、ヒトによって、得る成果物はminus or 0~million/billionの差が出てくる。ただ、この辺の評価が本社側や経営者の資質が高くないと難しい側面がある。上手に言い訳したり、うまく責任から逃れたり、本社のコバンザメのような駐在員が意外と評価されたりするので、この辺は厄介。会社全体で海外事業の要諦が理解できてないと難しい。一般的な日本の会社ではこの辺が難しいのが実情なので、その点は今後進化しないと海外に出て成功する企業は増えない。
by Hagi